「一日一禅」のはじまりに

私たちの日常は、情報の洪水と絶え間ない喧騒に満ちています。スマートフォンの画面を滑らせ、次々と流れてくる言葉の波に身を任せるうち、本当に大切なものを見失いそうになることはないでしょうか。

このたび、新たに「一日一禅」というささやかな試みを始めます。

これは、一日に一文字、禅の教えに繋がる漢字と静かに向き合うための場所です。季節の移ろいや暦の巡り、時代の息吹を感じながら選び抜かれたその一文字は、私たちを日常の迷いから、静かな内省の世界へと誘う一つの「関」(かん)となるでしょう 。  

このコーナーでは、選ばれた一文字から着想を得た短い詩と、その背景にある教えや現代を生きる上でのヒントを綴ります。

禅の智慧は、決して難解で、現実からかけ離れたものではありません。むしろ、複雑さを増す現代社会を、よりしなやかに、より深く生き抜くための羅針盤となり得るものです 。情報という足し算に疲れた心を、不要なものを手放す「引き算」によって調える 。一杯のお茶を味わうように、一つの言葉を深く味わう時間をご一緒できれば幸いです。  

書家として、一画に心を込めるように、一文字に思いを込めて。その静かな一滴が、皆様の心に清らかな波紋を広げることを願って。

これより、一日一文字の旅が始まります。どうぞ、お気軽にお立ち寄りください。

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