夢 – YUME –

夢現実の儚さを知り、今この瞬間を尊ぶ

Knowing the fleeting nature of reality, and treasuring this very moment.

真夏の夜に線香花火は散り永遠とはこの一瞬の光のこと

選字の背景: 夏休みの終わりが近づく週末。一粒万倍日に、儚いものの中にこそ宿る豊かさを見出す。

禅語に「一切の事象は、夢のごとく、泡のごとく、影のごとく」という言葉があります。この世のすべてのものは、まるで夢のように儚く、実体がないという意味です。特に、終わりを意識する夏の日の夕暮れは、その感覚を強く私たちに喚起させます。

詩に詠んだ線香花火は、その儚さの象徴です。懸命に燃え上がり、一瞬の美しい火花を散らして、静かに闇に消えていく。その姿は、私たちの人生そのものの縮図のようにも見えます。私たちはつい、永続するもの、確固たるものに価値を置きがちですが、禅はその視点を転換させます。滅びるからこそ、その一瞬の輝きは尊いのだと 6

今日は大安であり、一粒の籾が万倍にも実るという一粒万倍日でもあります。この吉日にあえて「夢」という漢字を選ぶのは、真の豊かさとは何かを問うためです。儚いと知るからこそ、私たちは今この瞬間を慈しみ、大切に生きることができる。線香花火の最後の光を見届けるように、今日という一日、今この一呼吸を丁寧に味わう。その心の姿勢こそが、人生を何万倍にも豊かにする、確かな一粒の種となるのです。

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