
終わりは始まり。生命と季節の円環
The end is the beginning. The cycle of life and the seasons.
選字の背景:全ては巡り繋がる。生命の円環に身を委ねよ。
本日、三月三十一日。窓の外では、散り急ぐ花びらが地面を覆い、そのすぐ隣で、若々しい青葉が太陽を求めて背を伸ばしています。年度の最終日である今日は、過去を振り返る寂しさと、未来を見つめる高揚感が、静かに混ざり合う特別な時間です。「環」という文字は、欠けのない「玉(宝石)」と、めぐることを意味する「睘」から成っています。終わりがない、完全な輪の形。これは、季節が巡り、命が形を変えて受け継がれていく宇宙の真理を象徴しています。禅の教えには、一筆で描かれた円である「円相(えんそう)」があります。始まりも終わりもなく、すべてが満たされ、繋がっている。三月という月を「終わらせる」のではなく、四月という季節へ「繋げていく」。今日あなたが終える仕事も、交わした最後の手紙も、決して消えてなくなるわけではありません。それらは円環の一部として、次のステージのあなたを支える栄養となり、再び新しい形となって芽吹くのです。「サヨナラ」の響きのすぐ後ろに、「ハジメマシテ」の足音が聞こえています。絶え間なく巡る環の中に身を置きこの一瞬の連続性を愛おしんでください。終わりを惜しむ心があるからこそ、始まりの輝きはより一層、あなたの瞳を強く照らすはずです。