真の安心は、外ではなく内に求められる
Real peace comes not from without, but from within.
選字の背景: 不成就日と寅の日が重なる注意日。外的な成功よりも、内的な心の平安を求める。
「安」という文字は、家屋を示す「宀(うかんむり)」の下に「女」がいる形から成り立ち、女性が家の中にいて、心が落ち着いている状態を表していると言われます。それは、平安、安全、安心といった、私たちが根源的に求める心の状態を象徴しています。
私たちは、この「安」を、財産、社会的地位、健康といった、外部の条件の中に求めがちです。しかし、それらはすべて、移ろいやすく、確実なものではありません。富は失われるかもしれず、名声は地に落ちるかもしれず、健康はいつか損なわれます。それらに依存している限り、私たちの心は、常に不安の影に怯え続けることになります。
詩は、真の安らぎ、すなわち禅で言うところの「安心(あんじん)」は、外的な条件によって得られるものではなく、内的な心のあり方によってのみ得られる、と説いています。それが、「足るを知る」(知足)の心です。自分に足りないものを数え、不満を抱くのではなく、今ここに与えられているものに目を向け、それに感謝する。その心の内にこそ、何ものにも揺るがされない、絶対的な「安」の境地があるのです。今日は、物事が成就しにくいとされる日。外に向かって何かを成し遂げようとするのではなく、内に向かって、自らの心を見つめ、そこに確かな「安」の土台を築くことに専念したいものです。