花 – HANA –

花 HANA はな 家禅 IEZEN.JP

他と比較せず、ただ無心に自らの花を咲かせる

Never comparing, just wholeheartedly blooming your own flower.

 

誰に見られるでもなく
誰に褒められるでもなく
ただ咲くことに命を燃やす
その無心の美しさ

選字の背景: 秋桜(コスモス)などが咲き誇る頃。野に咲く花々の無心な姿に学ぶ。

秋の野辺を彩る、可憐な花々。春の桜のような華やかさはありませんが、その素朴な佇まいは、私たちの心を深く和ませてくれます。この「花」という一文字は、禅において、無心であることの尊さを象徴します。

花は、誰かに認められようとか、他の花より美しく咲こうなどとは考えません。ただ、与えられた場所で、与えられた時季に、自らの生命を精一杯に燃焼させ、咲き、そして散っていきます。その、いかなる計らいも、見返りを求める心もない「無心」の姿に、私たちは、心を打たれるのです

私たちは、常に行為の目的や結果、他者からの評価を気にして生きています。しかし、そうした損得勘定は、私たちから純粋な喜びを奪い、心を窮屈にさせます。「花看半開」(はなは はんかいをみる)という禅語があります。満開の花よりも、むしろ、これから咲こうとする半開きの蕾にこそ、奥深い美しさを見出すという感性です。完璧を目指すのではなく、不完全さの中にこそ、生命の躍動と美があるのです。他者と比較することなく、結果に一喜一憂することなく、ただ、今ここで、自分自身の「花」を、無心に咲かせること。その生き方こそが、最も美しいのではないでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました