
無心にして純粋な祈りの力
The power of pure and innocent prayer.
選字の背景: 我を無くした純粋な祈りに、大いなる力が宿る。
落陽とともにどこからともなく聞こえてくる鐘の音。その深く静かな響きれ自体が町全体を包み込む一つの祈りのようです。私たちは祈るとき、つい「何かを得たい」という我欲(がよく)に囚われがちです。しかし、この教えが説くのは、その我(が)さえも手放した「無心」の祈り。それは、何かを願うのではなく、ただ感謝し、世界の平穏を願い、あるいは、ただ静かに坐して、自身が大いなるものの一部であると感じる、純粋な心の状態です。無心の祈りとは、特別なことではありません。誰かの幸せを純粋に願う心、美しいものに素直に感動する心。その静かな心の内にこそ、世界を動かすほどの、大きな力が秘められているのかもしれません。