葉 -HA-

葉 HA は 家禅 IEZEN.JP

散りゆく葉に、執着を手放す潔さを学ぶ

The falling leaves teach us the grace to let go of attachments.

選字の背景: 葉が枝を離れる如く、執着を潔く手放す。

紅葉の季節が進むにつれ、紅葉(もみじ)の赤や、欅(けやき)の黄金色が目に鮮やかに映ります。そして、風が吹くたび、一枚、また一枚と、ひらひらと枝から離れ、大地へと還ってゆきます。春に芽吹き、夏には豊かな緑で生命を謳歌した葉。その役目を終えた今、彼らは決して枝にしがみつこうとはしません。まるで、自らの天命を知っているかのように、実に潔く、軽やかに、風に身を任せるのです。この教えは、その葉の散り際に、私たちが学ぶべき心の在り方を見出します。私たちは、過去の栄光、失ったもの、変化への恐れなど、様々なものに執着し、苦しみます。しかし、一枚の葉は教えてくれます。手放すことは、終わりや敗北ではない。それは、次の生命を育むための、自然で、尊い循環の一部なのだと。その散り際の、未練のない「潔さ」。それこそが、執着という苦しみから、私たちを解き放ってくれる智慧なのかもしれません。散りゆく葉は、滅びの姿ではなく、むしろ、あるがままを受け入れ、執着を手放した、禅的な心の完成形を見せてくれているようです。

タイトルとURLをコピーしました