満 -MITIRU-

満 MITIRU みちる 家禅 IEZEN.JP

足るを知り、心が満たされている状態

A state of contentment and contentment.

選字の背景: 求めず、今ある幸せに深く感謝し満たされる。

田畑の収穫もあらかた終わり、蔵には豊かな実りが納められています。この時期の落ち着いた空気感は、まさにすべてが成就し、満ち足りた「満」の気配を漂わせております。この「満」という文字は、水(氵)が器の並び(㒼)いっぱいに覆いかぶさる様子から、あふれるほどに満ちている状態を表します。私たちは日々の暮らしの中で、つい「まだ足りない」「もっと欲しい」と、無いものねだりをしてしまいます。しかし、欲望の器には底がありません。注いでも注いでも、決して満たされることはないのです。「足るを知る(知足)」とは、我慢することではありません。自分の足元を見つめ直し、「ああ、私はすでにこんなにも多くのものを頂いていたのだ」と気づくことです。温かなお茶を一口いただく。今日一日、無事に過ごせた。窓から美しい夕月が見えた。その一つひとつの「今あるもの」に深く心を寄せ、感謝する時、私たちの心の器は、一瞬にして豊かさで満たされます。禅の円相(えんそう)が、欠けるところのない完全な悟りを表すように、私たちの心も本来、満月のように欠けることなく、十分に満ち足りている存在なのです。

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