
互いに支え合うことで、世界は成り立っている
The world is built on mutual support.
選字の背景: 柱と梁の如く、互いに支え合い世は保たれる。
昨日の「勤労感謝の日」を過ぎ、私は今、自宅の古民家で、太い梁(はり)と柱を見上げながら、この一文字の重みを噛み締めています。「支」という文字は、手(又)で竹の枝(十)をしっかりと支え持つ形から成り立っています。それは、倒れそうになるものを助け、維持するという、能動的な優しさを表しています。この古い家もまた、一本の柱だけでは屋根を支えきれません。縦の柱、横の梁、土台の石。それぞれが異なる役割を持ち、互いに重荷を分かち合い、がっちりと組み合っているからこそ、長い年月の風雪に耐えることができるのです。私たちの世界も、この家と同じです。「独立」という言葉がありますが、真の意味で、誰の力も借りずに一人で立っている者など、この世には存在しません。私がここで筆を執れるのも、紙を漉(す)く人、墨を作る人、そして日々の糧を作る人がいてこそ。私たちは皆、見えないところで無数の「支え」を受け、同時に、自らも誰かを支える一本の柱となって、この世界という大きな家を形作っているのです。自分が支えられていることに気づき、感謝すること。そして、自分もまた、誰かの小さな支えとなることを喜ぶこと。その相互の働きこそが、この世を安穏(あんのん)なる場所にする唯一の理(ことわり)なのでしょう。