
天から授かった才能を、世のために用いる
Use your God-given talents for the good of the world.
選字の背景: 天賦の才は、世を照らすためにこそ授けられる。
冬の柔らかな日差しが、手元の和紙を照らす中、改めて「働く」ことや「能力」の意味を問い直しております。「授」という文字は、手(扌)で、物を受け渡しする(受)様を表しています。それは、一方的に奪うものでも、突き放すものでもなく、手から手へ、温もりと共に渡される「恵み」の循環を示しています。私たちはしばしば、自分の能力や才能を「自分のもの」だと錯覚し、自分の栄達のためだけに使おうとします。しかし、この教訓は、才能とは天から一時的に預かった(授かった)ものであり、決して私物化してはならないと説きます。英語で才能を「ギフト(贈り物)」と呼ぶように、それは天からの贈り物です。贈り物を蔵にしまい込むのは、贈り主への礼を欠く行為。その才を磨き、世のため、人のために惜しみなく使い切ることこそが、天への最大の礼儀であり、また、その才を授かった者の責務なのです。私も、今こうして日々書と向き合うことのできる、筆を持つ手を授かりました。この手が紡ぐ言葉や線が、ほんの少しでも誰かの心の支えとなるならば、それこそが、授かりものへの恩返しとなるのでしょう。