尽 -JIN-

尽 JIN じん

全身全霊で、今この瞬間に自己を尽くす

Give yourself wholeheartedly and in this moment.

選字の背景: 「尽」とは、悔いなく自己を使い切る潔い生き方。

11月も最終日となりました。枯れ野の風景は、余計なものを全て削ぎ落とし、ただ骨格だけになった「尽」の境地を見せているようです。「尽」という文字の旧字(盡)を紐解きますと、器(皿)の中にあるものを、筆やハケ(聿)を使って、最後の一粒、一滴まで残らず掃除する様子を表しています。そこから「使い切る」「極める」「終わる」という意味が生まれました。私たちは無意識のうちに、「明日のために」と力を温存したり、失敗を恐れて「ほどほど」で済ませたりしてしまいます。しかし、この教訓は問いかけます。二度と戻らぬ「今」という瞬間に、なぜ全力を注がないのか、と。禅の生き方は、燃える蝋燭(ろうそく)に似ています。蝋燭は、明日のために身を残そうとはしません。ただ、今この瞬間に自らの身を削り、溶かし、その全てを光と熱に変えて「尽くして」います。その姿にこそ、迷いのない美しさと、周囲を照らす力が宿るのです。「人事を尽くして天命を待つ」と申します。結果は天に任せ、今はただ、目の前の一事に、あなたの命を使い切ってみてください。その完全燃焼の灰の中から、また新たな自分が不死鳥のように蘇るのです。

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