
他者を鑑とし、自己の姿を正す
Look to others as a model and correct your own behavior.
選字の背景: 善きも悪しきも皆、己を知るための貴き鑑。
師走の始め、冬の到来を告げる寒気によって研ぎ澄まされ、まるで天地そのものが、私たちを映し出す巨大な鏡のようです。「鑑」という文字は、まだガラスの鏡がなかった時代、磨き上げられた金属(銅鏡)に水を張り、自らの姿を映して戒めとしていたことに由来します。そこから、手本、見本、そして自分を照らし出す鏡という意味が生まれました。私たちは毎朝、鏡を見て髪や服の乱れを直します。しかし、自分の「心」や「振る舞い」の乱れは、ガラスの鏡には映りません。それらを映し出してくれる唯一の鏡、それこそが「他者」なのです。古人は「人の振り見て我が振り直せ」と説きました。誰かの優れた行いに感動したなら、それは自分の中にも同じ光がある証拠。逆に、誰かの欠点や怒りに不快感を覚えたなら、それは自分の内にある同じ影が共鳴しているのです。目の前の相手は、あなたの心を映す「鑑」です。鏡に映った顔に汚れがついている時、鏡を拭いても汚れは落ちません。自分の顔を拭わなければならないのです。同じように、他者を変えようとするのではなく、その他者を通して、自らの心を磨き、行いを正す。その謙虚な眼差しを持つ時、出会うすべての人、善き人も悪しき人も、皆があなたを成長させてくれる尊い師となるのです。