浄-JYOU-

心身の垢を洗い流し、清浄な状態に還る

Wash away the dirt from your body and mind and return to a pure state.

選字の背景: 「浄」とは、心の澱を流し、無垢な原点へ戻る道。

「浄」という文字は、水(氵)が、争い(争)や揉め事を静め、清らかにする様を表しています。水は、高いところから低いところへ流れ、その道中にあるあらゆる汚れを分け隔てなく洗い流し、海という浄化の源へと運び去ります。私たちは日々の暮らしの中で、知らず知らずのうちに、疲労、ストレス、あるいは嫉妬や執着という「心の垢」を溜め込んでしまいます。鏡に埃(ほこり)が積もるように、それは静かに、私たちの本来の輝きを覆い隠してしまいます。この教訓は、何か新しいものを手に入れるのではなく、その溜まった垢をきれいに「洗い流す」ことこそが、最も大切だと説きます。「清浄な状態に還る」のです。生まれたばかりの赤子のような、あるいは磨きたての鏡のような、本来の無垢な私へと。年末の大掃除(煤払い)もまた、単なる掃除ではありません。一年の垢を払い、神様をお迎えするための、そして自分自身を「浄化」するための神聖な儀式です。どうぞ、この冷たく澄んだ冬の水で顔を洗うように、心に溜まったものをさっぱりと洗い流してください。その清々しさの中にこそ、本来のあなたが輝いています。

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