
闇の極みに、光の兆しが生まれる
In the depths of darkness, a glimmer of light emerges.
選字の背景: 夜明け前を信じよ。苦しみの極みに陽は昇る。
一年で最も夜が長くなる「冬至」に向かうこの時期、私たちは闇の深さを知ると同時に、太陽という「陽」の存在の尊さを、身に沁みて感じます。「陽」という文字は、丘(阝)に、太陽が昇り明るく広がる様子(昜)を合わせたものです。それは、影があるからこそ光が際立ち、闇の中から光が生まれるという、自然界の理(ことわり)を表しています。古代中国の易経に「一陽来復(いちようらいふく)」という言葉があります。陰(闇や寒さ)が極まった時、それは終わりではなく、まさにそのどん底から、最初の一条の陽光(希望)が生まれるのだ、という教えです。夜明け前が一番暗いように、人生においても、苦しみや絶望が最も深く感じられる時こそが、実は好転への兆しが芽吹く瞬間なのです。闇は、光を産むための母胎。そう捉え直した時、私たちは暗闇をただ恐れるのではなく、そこでじっと力を蓄え、必ず訪れる朝日を信じて待つことができます。どうぞ、今の暗さを嘆かないでください。それは、あなたの人生に、まもなく新しい「陽」が昇ろうとしている、確かな合図なのですから。