忙-BOU-

bou

忙しさに心を亡くさず、中心を保つ

Don’t get lost in busyness, stay centered.

選字の背景: 忙殺される時こそ、深呼吸。置き忘れた心を取り戻す。

「忙」という文字は、皆様もよくご存知の通り、「心(忄)」を「亡(な)くす」と書きます。 物理的に時間がなくて体が動いているだけなら、それは「多用」です。しかし、そこに焦りやイライラが募り、美しいものを美しいと感じる余裕や、人への思いやりが消えてしまった時、それは「多忙」となり、私たちは文字通り「心」をどこかに置き忘れてしまいます。台風は、外側に行けば行くほど風雨が激しいですが、その中心にある「台風の目」は、驚くほど静かで青空さえ見えます。 この教訓は、忙しさという嵐を止めることはできなくとも、あなた自身がその「目」となり、内側に静かな中心地を持つことはできる、と説いています。周囲がどれほど騒がしくとも、自分の呼吸一つ、足の裏の感覚一つに意識を戻すことで、心は体へと帰ってきます。私も年末は筆を持つ手が早くなりがちです。そんな時こそ、あえて一杯の狭山茶を淹れ、湯気の向こうに自分の心を呼び戻す時間を持つようにしております。どうぞ、忙しい時こそ「三秒」立ち止まってみてください。その空白こそが、亡くしかけた心を取り戻す、命の隙間となるのです。

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