
万物は始まりが肝心。初心を忘れない
The beginning is crucial for everything. Never forget your original intentions.
選字の背景: 初心忘るべからず。始めの一つを丁寧に行う。
世間では「御用始め」とも呼ばれる日です。昨日までのゆったりとした祝祭の空気から一転し、車の音や人々の足音に、日常のリズムが戻ってまいります。「始」という文字は、「女」へんに「台」と書きます。「台」は、耕す道具(すき)や、土台、あるいは胎児を宿す母体を表すとも言われます。つまり、新しい命や物事が生まれる基盤、土台作りこそが「始まり」の本質なのです。「始め良ければ半ば成功」という言葉がございます。ボタンの掛け違いも、最初の一つを間違えれば、最後まで直りません。今日という一日は、一年という長いシャツの、まさに「第一ボタン」を掛ける日です。連休明けの体は重く感じるかもしれません。しかし、だからこそ「慣れ」で動くのではなく、あえて「初心」―初めてその道に入った時の謙虚さや緊張感―を思い出していただきたいのです。能の大成者・世阿弥は「初心忘るべからず」と説きました。これは未熟な頃を忘れるなという意味だけでなく、「その時々の新しい段階での初心を忘れるな」という深い教えでもあります。今日から始まる仕事、家事、学び。どうぞ、雑に始めず、丁寧に、愛おしむように始めてください。その清々しいスタートの姿勢が、今年一年のあなたの土台となるのですから。