
目的を達成しても、驕らず、初心に返る
Even if you achieve your goal, don’t become arrogant and return to your original intentions.
選字の背景:達成は次なる起点なり。謙虚に原点を刻み進む。
一月という「始まりの月」が幕を閉じようとする今、何らかの小さな成果を手にされた方もいれば、目標への第一段階をクリアした方もいらっしゃることでしょう。しかし、禅の世界では、目標に達することは「終わり」ではなく、新たな「始まり」に過ぎないと考えます。「初心忘るべからず」という世阿弥の言葉がありますが、これは単に「始めた頃の気持ちを忘れるな」という意味だけではありません。成功を手にした瞬間に生じる「慣れ」や「傲慢さ」という心の曇りを払い、常に自分を真っさらな状態(空の状態)に保ち続けることの難しさと尊さを説いています。一つの山を登り切ったとき、そこに見えるのは達成感という美酒だけではありません。次に登るべき、より高く険しい山の姿です。 目的地に達したとき、人はつい腰を下ろし、過去の栄光を語りたくなります。しかし、真に「達」した人とは、その場所を潔く立ち去り、再び無一物の修行者のように、謙虚な一歩を踏み出せる人のことを指すのです。一月の成功は、二月のための糧に過ぎません。どうぞ、今日手にした「達」という果実を誇りつつも、その種を再び心という大地に蒔き、新たな芽吹きを待つ「初心」に立ち返ってください。