鬼-ONI-

oni

鬼は外。心の内に潜む鬼(煩悩)を見つめる

Out with the demons. Look at the demons (earthly desires) lurking within your heart.

選字の背景:内なる鬼を直視し、己を律して福を招き入れる。

スーパーには福豆が並び、明日の節分(せつぶん)を待つ活気が漂っています。「鬼は外、福は内」と声を上げる準備は万端ですが、その「鬼」がどこにいるのか、私たちは今一度立ち止まって考える必要があります。「鬼」という文字は、古来、目に見えない恐ろしい力や、死者の魂を指しましたが、仏教的な解釈では、鬼とは私たちの「煩悩(ぼんのう)」そのものを指します。怒りに燃える「赤鬼」、欲に溺れる「青鬼」、そして愚痴や迷いに沈む「黒鬼」。これらは決して家の外からやってくる怪物ではありません。私たちの心のひだに、まるで住人のような顔をして潜んでいる影なのです。明日の豆まきは、単なる伝統行事ではありません。豆(魔滅=まめ)を打つべき相手は、他者や外の世界ではなく、自分の中に巣食う「我欲」や「慢心」という名の鬼です。 「あいつが悪い」と外に豆を投げる前に、静かに己の心という部屋を覗いてみてください。その暗がりに蹲(うずくま)っている鬼を見つけ、その存在を認めること。それこそが、真の「福」を招き入れるための第一歩となります。明日の喧騒を前に、今夜は静かに心の闇を照らしてみませんか。己の中の鬼を直視する勇気を持てたとき、その鬼はそっと姿を消し、穏やかな福の神へと変わっていくはずです。

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