
民の安寧を祈る、無私の心の象徴
A symbol of selflessness, praying for the well-being of the people
選字の背景:私を離れ、人々の幸せを願う高潔な心。
本日、二月二十三日は天皇誕生日。まだ風は冷たく、畑の畝(うね)には冬の名残がありますが、降り注ぐ陽光には、万物を等しく照らそうとする慈愛のような温もりが感じられます。「皇」という文字は、上に「白」、下に「王」と書きます。「白」は自ずから光り輝く太陽、あるいは一点の曇りもない清浄さを表し、「王」は天地人を貫く柱を象徴します。つまり、この文字が本来意味するのは、「太陽のように自らを燃やして周囲を照らし、私心を捨てて公に尽くす存在」です。私たちは日常の中で、つい「自分がいかに得をするか」「どう評価されるか」という「私(し)」に捉われがちです。しかし、この教訓が説くのは、その対極にある「無私(むし)」の精神です。 それは、家庭の中で、あるいは職場の小さなコミュニティの中で、誰に誇るでもなく「皆が健やかであるように」と願い、行動すること。その静かな祈りと奉仕の心こそが、周囲に真の安寧をもたらすのです。禅の世界でも、真のリーダーシップとは「与えること」に極まると考えます。 特別な祝日である今日、私たちもまた、自分の手の届く範囲の大切な人々のために、何ができるかを「祈り」のような静かな心で考えてみたいものです。