
執着を離れ、軽やかに生きる
Let go of attachments and live lightly.
選字の背景:過去を離れ風の如く。身軽な心が新しい扉を開く。
窓の外を眺めれば、風に舞う花びらや、去りゆく季節の気配がそこかしこに漂っています。年度末の忙しさに追われ、心に余裕をなくしてはいませんか?「あれもやらなきゃ」「こうあるべきだ」という思い込みで、心がいっぱいになってはいないでしょうか。「離」という漢字の成り立ちを辿ると、網(網状の模様)と、鳥を組み合わせた形からきています。これは、網に捕らえられていた鳥が、そこから逃れて「飛び去る」様子を象徴しています。私たちは知らず知らずのうちに、自ら作った「執着」という名の網に自分を閉じ込めてしまいがちです。過去の成功体験、失敗への後悔、あるいは他人からの評価……。それらは自分を守るための鎧(よろい)のようでもありますが、あまりに重すぎれば、次に飛ぶべき場所へ向かう翼を縛ってしまいます。禅の教えには「離見の見(りけんのけん)」という言葉があります。自分の主観や感情を一度離れ、客観的に自分を見つめること。今のあなたを縛っているものは、本当にこれからも必要なものでしょうか。手放すことは、失うことではありません。新しい何かを受け入れるための「余白」を自分の中に作ることです。三月の終わりは、断捨離の季節。物理的なモノだけでなく、心の「こだわり」からも少しずつ距離を置いてみてください。執着を離れ、ふわりと身軽になったとき、あなたの視界には今まで気づかなかったほど広い空が広がっているはずです。