壌-JYOU-

jyou壌

汚れをも受け入れ、万物を育む大地の謙虚さ

The humility of the earth, which accepts even impurities and nurtures all things.

選字の背景:清濁併せ呑み、豊穣な心で明日を育てる

野山では、力強い新緑が大地から溢れ出さんばかりに輝いています。その生命力を支えているのは、私たちの足元にある、一見地味で、時に「汚れ」さえも内包する豊かな土壌です。「壌」という文字は、偏の「土」に、衣をゆったりと着る、あるいは「受け入れる、助ける」といった意味を持つ「襄(じょう)」を組み合わせています。つまり、単なる砂や石ではなく、「あらゆるものを柔らかく包み込み、発酵させ、命の糧へと変える力」を持った土のことです。禅の教えでは、美しいものだけを選び、汚れたものを排除しようとする心を「分別の病」として戒めます。大地は、美しい花の種も、枯れ落ちた葉も、動物の亡骸も、一切の差別なく受け入れます。大地にとって、世間が「汚れ」と呼ぶものは、次の命を咲かせるための最も豊かな「肥やし」に他なりません。「清濁併せ呑む」という器の大きさは、自分自身の未熟さや、他人の欠点という「泥」を、否定せずに受け入れる謙虚さから生まれます。四月の締めくくり。もし、上手くいかなかったことや、自分の嫌な一面が見えて落ち込んでいるなら、それを「土」に還してみてください。拒まず、裁かず、ただ静かに自分という「壌(つち)」の中に寝かせておく。その謙虚な受容こそが、あなたの人間性をより深く、より豊穣なものへと育て上げ、次なる季節に、見たこともないほど立派な大輪を咲かせるための栄養になるのです。

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