樹-JYU-

樹jyu

風雨に耐え、無言で天を目指す大樹の不動心

The unwavering spirit of a great tree, enduring wind and rain, silently reaching towards the heavens.

選字の背景:嵐をも糧とし、ただ黙して空へと伸びゆく。

外に目を向ければ、若葉を揺らす風は時に強く吹き、不意の雨が大地を叩くこともあります。しかし、野に立つ「樹」は、その風雨を避けることはありません。それどころか、厳しい天候さえも自らを強くするための糧として受け入れ、ただ黙って天へと枝を伸ばし続けています。「樹」という文字を紐解くと、左側の「木」に、太鼓を立てる台座を手で支える様子を意味する右側が組み合わされています。これは、祭祀などで使われる神聖な柱を垂直に立てる姿を表しており、「一点の曇りもなく、真っ直ぐに直立する」という強い意志が込められています。禅の教えには、周囲の状況に左右されない「不動心(ふどうしん)」という言葉があります。私たちは、誰かに批判されれば心が折れ、褒められれば浮き足立ってしまいます。しかし、大樹は誰に見られていなくとも、また嵐が吹こうとも、自分の役割を疑うことなくそこに在り続けます。樹木にとって、雨は涙ではなく、成長のための滴です。風は邪魔者ではなく、根を強くするための鍛錬です。五月の折り返し地点。もし周囲の雑音に疲れ、自分を見失いそうになったなら、一時の感情で弁明したり右往左往したりするのをやめ、心の中に一本の巨木を立ててみてください。無言で、しかし確かな信念を持って、一歩ずつ天を目指す。その「不動」の在り方こそが、結果として最も遠くまであなたの枝を広げ、豊かな実りをもたらす近道となるはずです。

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