
かつての自分という古い殻を潔く脱ぎ捨てる
To bravely shed the old shell of one’s former self.
選字の背景:己の殻を破り、与えられた命を鳴き尽くせ。
本日、八月十日。蝉たちの声が天地に響き渡り、万物が「今」という瞬間を懸命に生き抜いている一日です。「殻」という文字を紐解きますと、硬い保護膜や器を表す形から成り立っています。命を守り育むために、なくてはならない大切な存在。しかし、その内側で成長を遂げた命が次の世界へと羽ばたくためには、いつか自らの手でその頑丈な「殻」を破り、脱ぎ捨てなければなりません。私たちは生きる中で、過去の成功体験、傷つきたくないという自己防衛、あるいは「自分はこの程度だ」という思い込みという名の「心の殻」を自ら作り出し、その中に閉じこもってしまいがちです。守られた殻の中は安全ですが、そこに留まっている限り、私たちが真の生命力を解き放つことはできません。禅の世界には「脱体一露(だったいいちろ)」という言葉があります。自らを縛るすべての覆いや執着(殻)を脱ぎ捨てたとき、はじめて剥き出しの純粋な本質が美しく現れ出るという意味です。古い殻を破り捨てて地上へと飛び出した蝉は、これから訪れる命の終わりを恐れて力を温存することなどいたしません。与えられたわずかな時間の中で、己の全存在を懸けて声を張り上げ、今この瞬間を鳴き切ります。
自分を守るための殻に、いつまでも閉じこもっていてはいけません。過去の自分を脱ぎ捨て、外の世界へ躍り出しなさい。あなたが全存在を注ぎ込んで生み出す「今」の輝きこそが、命の真の美しさなのです。
八月の熱気が満ちあふれる今日。 もしあなたが、自分の限界を決めて足踏みをしていたり、失敗を恐れて新しい世界へ踏み出せずにいるなら、どうかその古い殻を脱ぎ捨ててみてください。 自分を覆っていたものを手放し、生身の魂で「今」という瞬間に飛び込んだとき、あなたの命はどこまでも眩しく、惜しみない光を放ち始めるはずです。なたの人生は誰にも真似できない、美しく気高き輝きを放ち始めるはずです。