自らを灯火とし、拠り所とする(自灯明)
Take refuge in yourself as your own light.
選字の背景: 大安の日曜日。外に求めるのではなく、自らの内なる光に気づく。
「光」は、闇を照らし、進むべき道を指し示し、生命を育む、希望の象徴です。私たちは、人生に迷った時や、困難に直面した時、外部の権威や他者の助言といった「光」を求めがちです。しかし、お釈迦様は、入滅の際に弟子たちにこう遺言されたと伝えられます。「自らを灯明とし、自らを拠り所とせよ」と。これが「自灯明」(じとうみょう)の教えです。
詩は、この「自灯明」の精神を詠っています。「灯台下暗し」ということわざの通り、私たちは、あまりにも身近にあるが故に、最も大切なものを見過ごしているのかもしれません。救いや答えを外に探し求める前に、まず立ち止まり、自らの内なる声に耳を澄ませるべきなのです。なぜなら、私たち一人ひとりの中には、本来、人生の闇を照らし出すのに十分な「光」、すなわち仏性が備わっているからです。
書において、墨の黒と紙の白が互いを引き立て合い、そこに美しい「光」が生まれるように、人生においても、苦悩という「闇」があるからこそ、内なる「光」の尊さに気づくことができます。大安吉日の今日、幸運を外に探すのではなく、自らの内に眠る無限の可能性という「光」を信じ、それを輝かせるための努力を始める。それこそが、最高の開運法と言えるでしょう。