雛-HINA-

hina

小さく愛らしいものに宿る、生命の尊さ

The preciousness of life that resides in small, adorable things.

選字の背景:小さき命を慈しみ、その尊さを心に刻む。

本日、三月三日。今日は、女の子の健やかな成長を祈る華やかな節句ですが、その主役である「雛」という文字には、深い慈しみの意味が込められています。「雛」という漢字は、「隹(とり)」に、若草を束ねた様子を表す「芻(すう)」を合わせたものです。もともとは「鳥のひな」を指し、そこから転じて、小さく、若く、愛らしいものを象徴するようになりました。雛人形は、ただ愛でるための人形ではありません。それは、病や災いから幼い命を守りたいという、親たちの切実な祈りの形です。 私たちは、大きく力強いものに圧倒されがちですが、本当に尊いものは、案外、手のひらに収まるような小さな存在の中に宿っているものです。禅の教えに「一花開天下春(いっかひらいててんかはるなり)」という言葉があります。たった一輪の花が開くことで、世界全体に春が訪れたことを知らせるという意味です。 小さな雛鳥が羽ばたこうとする力、産声をあげたばかりの命、あるいは茶畑に芽吹いたばかりの小さな一葉。それら弱々しく見える存在は、実は宇宙全体の生命力をその身に凝縮させています。「小さきもの」を慈しむ心は、自分自身の内側にある「まだ未熟で、繊細な可能性」を愛することにも繋がります。今日は、身近にある小さな幸せや、守るべき尊い命に目を向け、その温もりを静かに味わってみませんか。

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