蛙-KAERU-

kaeru蛙

自然の摂理に逆らわず、時が来れば自らの声を上げる

Do not defy the laws of nature, but raise your voice when the time is right.

選字の背景:焦らず時を待ち、満を持して真実の声を響かす。

夕暮れ時、風に混じって聞こえてくる蛙の声は、季節が確実に巡っていることを告げています。「蛙」という文字を紐解くと、虫偏に「圭」と書きます。「圭」は土を重ねた形であり、また「角が取れて整った形」を意味します。かつての人々は、泥の中から現れ、整然としたリズムで鳴くこの生き物に、大地の調和を感じ取ったのかもしれません。禅の教えには、無理に物事を動かそうとせず、機が熟すのを待つ「待時(たいじ)」の智慧があります。私たちは、結果を急ぐあまり、まだ雨も降っていないのに声を枯らして叫んだり、冬の最中に無理やり芽を出そうとしたりして、心身をすり減らしてしまいがちです。しかし、蛙は決して抗いません。水が満ち、温度が整い、天の時と地の利が重なった瞬間に、初めてその命を震わせて鳴き始めます。沈黙は、怠惰ではありません。それは、最高の「鳴き声」を放つための、静かなる準備期間です。五月も後半。周囲のペースに惑わされ、自分だけが遅れているように感じて焦ってはいませんか?今はまだ、あなたの「雨」が降っていないだけかもしれません。自然の摂理を信じ、今はしっかりと大地に根を据えてエネルギーを蓄えてください。しかるべき時が来れば、誰に教わらずとも、あなたの声は最も美しい響きとなって、世界に鳴り渡るはずです。

タイトルとURLをコピーしました