渇-KAWAKU-

kawaku渇

外なる渇きは水で癒え、内なる渇きは足るを知るで癒える

External thirst is quenched with water; internal thirst is quenched by knowing when enough is enough.

選字の背景:焦燥に焼かれず、深い呼吸で今に立ち還る。

本日、七月十一日。じりじりと上がる気温とともに、冷たい水が何よりのご馳走に感じられる実感を伴った朝です。「渇」という文字は、左側の「水(さんずい)」に、右側の「葛(カツ・おさめる、尽きる)」が組み合わされています。体内の水分が底を突き、喉が締め付けられるように乾く様子を表しています。 私たちが日常生活で感じる「喉が渇いた」という感覚は、冷たい水を一杯飲めば、すぐに心地よく癒されていきます。これが「外なる渇き」です。しかし、私たち人間には、もう一つの厄介な渇きがあります。それが、いくら手に入れても満たされることのない「内なる渇き」――すなわち、物欲、名誉欲、他者からの承認欲求といった心の渇望です。「もっとお金が欲しい」「もっと認められたい」「あの人よりも幸せになりたい」。これらの欲は、どれだけ物質や他者からの評価を注ぎ込んでも、一時的に潤うだけで、すぐにまた次の渇きが襲ってきます。まるで、塩水を飲めば飲むほど喉が渇いていくかのように、私たちは自ら苦しみのループに飛び込んでしまうのです。禅の言葉に「知足(ちそく:足るを知る)」という高潔な教えがあります。「不満を抱くのは、自分がすでに多くの恵みの中にいることに気づいていないからだ。今あるもので十分に満たされていると気づくこと(足るを知る)こそが、究極の心の富である」という智慧です。

身体の渇きは冷たい水で癒せます。しかし、心の渇きを癒せるのは、外からの刺激ではなく、あなた自身の内側にある「私はすでに満たされている」という静かな気づきだけなのです。

夏の陽射しがいっそう強まる今日。 もしあなたが、何かに追われ、心が満たされない「渇き」に苦しんでいるなら、一度立ち止まって、今あなたのまわりにある小さな幸せに目を向けてみてください。 屋根があること、息ができること、大切な人がいること。それらの当たり前の中に、すでにあなたの心を潤す極上の水は満ちています。外に答えを求めるのをやめ、足るを知る心で自らを潤すとき、あなたの人生はいつでも穏やかで瑞々しい輝きを取り戻すはずです。

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