堅 -KEN-

堅 KEN けん 家禅 IEZEN.JP

困難に屈しない、堅固な意志を養う

Cultivate a strong will that will not give in to difficulties.

選字の背景: 困難という風雪に耐え、岩の如き意志を養う。

朝も冷え込みが厳しくなり、足元の大地が、冬に向けてぎゅっと身を堅くしているのを感じます。この「堅」という文字は、「臣(しん・かたく身を引き締める)」と「土(つち)」から成り立っています。それは、柔らかかった土が、踏み固められ、あるいは寒さに耐えて、城壁の如く崩れない強さを持った様を表しています。この教えは、私たちの心の在り方を、この「堅い土」に重ねています。人生には、予期せぬ雨や、凍えるような風雪という困難が必ず訪れます。しかし、雨が降るからこそ地は固まり、寒さがあるからこそ、土は結束を強めるのです。禅の修行においても、坐禅を組むその姿は、まるで巌(いわお)の如く「堅固」でなければなりません。外からの雑音や、内から湧く迷いに、いちいち揺れ動いていては、心の静寂は守れません。限界という壁にぶつかった時、それでも前へと進む力は、一度決めたことを貫き通す「堅い意志」です。書においても、筆圧の弱気な線は、見る者に見透かされます。迷いのない「堅」なる意志が乗ってこそ、線は見る者に勇気を与える力を宿すのです。

タイトルとURLをコピーしました