
終わりゆく光の中に、一日の営みを感謝する
As the light fades, I give thanks for the day.
選字の背景: 暮れゆく空に今日の営みをそっと手放し、ただ感謝を捧ぐ。
秋の日はつるべ落とし。先程まで空にあった太陽は、あっという間に西の山の端へと沈み、空は深い茜色から、やがて藍色へとその姿を変えようとしています。万物がその活動を終え、光が闇へと静かに道を譲る、一日の終わりの時間です。私たちは、この「暮れゆく」という言葉に、どこか寂しさや、物事の終焉といった、物悲しい響きを感じてしまいがちです。しかし、この教訓は、その時間を全く違う光で照らし出してくれます。昼間の喧騒や、忙しない営みが静まり、世界が静寂に包まれるこのひととき。それこそが、今日一日という尊い時間を振り返り、無事に過ごせたこと、生かされたことへの、静かな感謝を捧げる時なのだと。良かったことも、うまくいかなかったことも含めて、それが今日という私の営みでした。その全てを、この終わりゆく光の中にそっと置き、ただ「ありがとう」と手を合わせる。その静かな心の区切りこそが、明日という新たな光を迎えるための、最も大切な備えとなるのではないでしょうか。