空 – KUU –

空 kuu くう 家禅 IEZEN.JP

固執を捨て、無限の可能性に心を開く

By letting go of what we cling to, we open our hearts to limitless potential.

青き大空に 我という執着を放つ 何もないからこそ すべてが満ちている

選字の背景: 澄み渡る秋の空を見上げ、その広大さに心を解き放つ。

秋の空は、高く澄み渡り、どこまでも青く広がっています。その壮大な風景を前にすると、私たちの悩みやこだわりがいかに小さなものであるかを思い知らされます。この「空」(くう)という漢字は、仏教、特に禅において、最も重要な概念の一つです。

しかし、仏教で言う「空」は、単なる空っぽ、無を意味するのではありません。それは、「すべての物事は、固定的な実体を持たず、縁によって生じ、常に変化し続ける」という深遠な真理を指します(色即是空)。私たちが「自分」だと思っているものも、確固たる実体ではなく、様々な要因が一時的に集まって形成されているに過ぎません。

詩は、この「空」の思想を、秋空のイメージに重ねています。「我という執着を放つ」とは、自分はこうあるべきだ、という固定観念や、我欲を手放すことです。そのとき、私たちは初めて、真の自由を得ることができます。「何もないからこそ すべてが満ちている」。コップが空だからこそ、新しい水を注ぐことができるように、心を「空」にすることで、私たちは世界のあらゆる豊かさを受け入れることができるようになるのです。この一文字は、失うことを恐れるのではなく、手放すことによって得られる、大いなる自由と可能性を教えてくれます。

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