虚-KYO-

虚 きょ KYO

心を虚しくすれば、真実が映し出される

If you empty your mind, the truth will be revealed.

選字の背景: 「虚」とは受容の器。我を捨て真理を満たす。

「虚」という文字は、何もない、うつろである、という意味で使われがちですが、禅においては、無限の許容力を持つ「器」としての意味を持ちます。 茶碗は、中が「虚(から)」であるからこそ、お茶を満たすことができます。部屋は、空間が「虚」であるからこそ、人が住まうことができます。私たちの心も同じです。先入観、知識、あるいは「悟りたい」という我欲で満杯の状態では、目の前にある真実は入る余地がありません。 この教訓は、心を鏡のように「虚しく(からっぽに)」せよと説きます。鏡は、自らの色を持たず、虚しいからこそ、赤い花を赤く、青い空を青く、ありのままに映し出すことができるのです。この良き日に、一度心の荷物を下ろし、虚しい心で世界を眺めてみてください。そこには、今まで見えなかった鮮やかな真実が、きっと輝いているはずです。

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