
偽りのない真心は、必ず他者に通じる
Sincerity without falsehood will always reach others.
選字の背景: 言葉と行いを一つに。誠は人の心を動かす。
「誠」という文字は、「言(ことば)」が「成(なる)」と書きます。それは、口にした言葉が、嘘偽りなく真実となり、行動と一致している様を表しています。言行一致。そこに裏表のない、純粋な心の在り方が見て取れます。世の中には、巧みな言葉や、彩られた表現が溢れています。しかし、どれほど美辞麗句を並べても、そこに心が伴っていなければ、それは風に舞う枯れ葉のように軽く、人の心には留まりません。逆に、たどたどしい言葉であっても、それが魂の底から絞り出された「誠」の響きを持つならば、必ず相手の心の琴線に触れ、共鳴を起こします。古人は「至誠(しせい)、天に通ず」と申しました。偽りのない真心は、人の心はおろか、天さえも動かす力があるのです。私が筆を執る際も、最も怖れるのは、線に「嘘」が混じることです。上手く見せようという作為を捨て、今の自分の心をありのままに紙にぶつける。その「誠」の線だけが、時を超えて見る人と対話できるのです。不器用でも構いません。あなたのその真っ直ぐな心が、誰かの心に深く届くことを信じて。