芽-ME-

me

小さな可能性の芽を、大切に育む

Carefully nurturing the seeds of small possibilities.

選字の背景:焦らず弛まず、内なる才能の芽を大切に守る。

雨水(うすい)の慈雨を受けた土が柔らかく解れ、木々の枝先には、春の光を吸い込んだ「芽」の原型が、今か今かとその時を待っています。一月、二月の厳しい寒さを耐え抜いたからこそ、その小さな膨らみには、爆発的な生命のエネルギーが凝縮されています。「芽」という文字は、「艸(くさかんむり)」に「牙(きば)」と書きます。意外かもしれませんが、芽とは決して「か弱い」だけの存在ではありません。象牙のように硬く鋭い力で、自らを包む殻や重い土を突き破って出てくる強さを秘めているのです。私たちの心の中にも、新しい興味、ふとした思いつき、あるいは改善への意欲といった「可能性の芽」が日々生まれています。 しかし、芽が出たばかりの時期は、あまりにも小さく、つい見過ごしたり「こんなもの、大したことはない」と踏みにじったりしてしまいがちです。禅の世界では「照顧(しょうこ)」、すなわち、よく見て、寄り添うことを大切にします。 大きな花を咲かせることばかりを急がないでください。まずは、自分の内側に生まれた小さな「兆し」に気づき、そこに意識という名の水を注ぐこと。 狭山茶の極上の新芽が、時間をかけてゆっくりと熟成されるように、あなたの可能性もまた、今日という一日の丁寧な関わりの中で、確実に、そして力強く育っていくのです。明日の雨を待つ大地のように、ゆったりとした心で「育む」時間そのものを慈しんでみませんか。

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