
深く澄み切った心境。穢れを知らない本来の自己
A state of deep clarity and purity. The true, untainted self.
選字の背景:万象を潤す翠の如く、澄み渡る己に還る。
溢れんばかりの新緑が目に眩しい、正に「翠」の季節です。この「翠」という漢字は、美しい羽を持つカワセミ(翠鳥)を由来としています。宝石のエメラルドを「翠玉」と呼ぶように、ただの緑ではなく、「深く、透明感を持ち、時を経ても色褪せない輝き」を指しています。禅の世界では、私たちの本来の心は、この「翠」のように一点の曇りもなく、清らかなものであると説きます。日々の生活の中で、私たちは不安や嫉妬、見栄といった「心の塵」を被ってしまいがちです。しかし、どれほど外側が汚れに覆われようとも、その奥底にある「本来の自己(仏性)」が失われることはありません。「翠」とは、装う色ではありません。余計なものを削ぎ落としたとき、内側から自然に溢れ出してくる、生命そのものの色です。連休の中日。予定を詰め込み、何かに追い立てられるように過ごしてはいませんか? 今日は少しだけ足を止め、森の深淵を見つめるように、自分の心と向き合ってみてください。思考の波が静まり、鏡のような水面が現れたとき、そこには深く澄み渡った「翠」の境地が広がっているはずです。その穢れなき自分を信じることが、明日をより鮮やかに生きるための「真の力」となります。