桃-MOMO-

momo

邪気を払い、春の訪れを告げる生命の色

The color of life that wards off evil spirits and heralds the arrival of spring.

選字の背景:災いを退け、春を彩る桃の如く鮮やかに生きる。

昨日の雛祭りを終えて、供えられた桃の花が静かにその芳香を放ち続けています。春の嵐が時折吹き抜けるこの時期、桃のピンク色は、冬の無彩色を塗り替える「生命の凱歌」のように映ります。「桃」という文字は、「木」に「兆」と書きます。「兆」は数が多いことや、物事の兆し(きざし)を意味します。古来、桃は圧倒的な生命力の象徴であり、その多産な実や、邪気を払う不思議な力を持つ木として尊ばれてきました。日本神話でも、イザナギノミコトが黄泉の国の追手から逃れる際、桃の実を投げつけて退散させたというエピソードがあります。桃は単なる「可愛らしい花」ではなく、「災いを退け、命の領域を守り抜く強靭な力」を秘めた植物なのです。禅の世界では、鮮やかに咲く桃を「桃花笑春風(とうかしゅんぷうにえむ)」と愛でます。厳しい冬を越え、何者にも屈せず、ただ春の風の中で微笑むように咲く姿。その「桃色」は、私たちの体内を流れる血の色であり、内側から溢れ出す情熱の色でもあります。昨日の節句で邪気を払った後は、自分の中に宿る「桃の力」を信じてみてください。あなたの内なる春を邪魔する不安や迷いを、その鮮やかな生命の色で跳ね返し、清々しい心で新しい季節を歩み始めましょう。

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