虫-MUSHI-

musi虫

足元の小さな命の営みにも、仏性が宿ることを知る

Knowing that Buddha-nature resides even in the smallest lives at our feet.

選字の背景:虫の健気な営みに、命の尊き仏性を見よ。

本日七月三十一日。七月という一ヶ月が静かに幕を閉じ、去りゆく夏の光の中で、命のさざめきが草の葉の陰から立ち上る一日です。「虫」という文字の古い成り立ちを紐解くと、もともとはヘビの形を描いたものであり、古来「虫(むし・むしけら)」とは人間以外の小さな生きもの全般を指す言葉でした。現代では時に「取るに足らないもの」「弱き存在」として扱われることもあります。しかし、足元の草むらにそっと目を凝らしてみてください。 陽射しを避けて葉の裏で休む小さな羽虫や、一生懸命に土を耕す蟻、夜の訪れとともに涼やかな音色を奏でる虫たち。彼らは誰に見られるためでもなく、誰からの賞賛を求めるでもなく、ただ今この瞬間を精一杯に生きています。仏教や禅の世界には、「悉有仏性(しつうぶっしょう)」という尊い教えがあります。人間だけでなく、鳥も、獣も、そして一匹の小さな虫や一草一木に至るまで、生きとし生けるすべての存在に、等しく尊い仏の心(仏性)が宿っているという考え方です。大ききものも、小さきものも、命の重さに何ら違いはありません。

大きな山を見上げるだけでなく、時には足元の小さな草むらに目を留めなさい。その一匹の小さな虫の営みにこそ、宇宙の命の奇跡と、気高い仏性が満ちあふれているのです。

七月の締めくくりとなる今日。 もしあなたが、自分のちっぽけさに悩んだり、他者と比べて自分には価値がないように感じているなら、そっと足元の小さな命に心を寄せてみてください。 一生懸命に生きるその小さな姿は、あなた自身の中に眠る生命の尊さをも教えてくれているはずです。どんな命も、この世界にとって欠かすことのできない、美しく愛おしい光なのです。とのない安心感で心を満たしてくれるはずです。

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