脈-MYAKU-

myaku

先人の知恵を尊び、次代へと脈々と繋ぐ。その連続性の中に命の輝きがある。

Respecting the wisdom of our predecessors and passing it on to future generations—the brilliance of life lies within this continuity.

選字の背景:絶えぬ流れに身を置き、知恵の脈動を未来へ。

本日、三月三十日。街には明日への準備を整える静かな活気が満ち、去りゆく人が残した足跡を、新しい誰かが踏みしめる準備をしています。「脈」という文字は、身体を意味する「月(にくづき)」に、水の流れが分かれる様子を意味する「派」の右側を組み合わせています。これは血管の中を流れる血潮、あるいは山脈のように連なる様子を表しています。一つひとつの鼓動は一瞬で消えるものですが、それが途切れることなく続くことで、初めて「生命」という大きなリズムが形作られます。禅の教えに「伝灯(でんとう)」という言葉があります。一つの灯火から別の灯火へ、火を絶やすことなく移していくこと。私たちが今、当たり前のように持っている知識や、ふとした時に支えとなる価値観は、すべて名前も知らない先人たちが試行錯誤の末に守り抜き、手渡してくれた「知恵の脈動」です。自分が「終わらせる」のではなく、より良い形で「次へ繋ぐ」。三月の終わりというこのタイミングで、あなたが受け取ったバトンを確認してみてください。それは技術かもしれませんし、誰かの優しい口癖かもしれません。自分一代で完結させようと気負う必要はありません。先人への敬意を胸に、あなたというフィルターを通してその知恵を磨き、次へと流していく。その「繋ぐ」という行為そのものに、命の最も純粋な輝きが宿るのです。

タイトルとURLをコピーしました