波-NAMI-

nami波

喜怒哀楽の波が来ても、海の底は常に静まり返っている

Even as waves of joy, anger, sorrow, and pleasure come and go, the bottom of the sea remains always still.

選字の背景:表面の波風に惑わされず、魂の深海を静めよ。

七月十八日。夏の強い陽射しがいよいよ極まり、海や水辺の煌めきに心躍る季節を迎えました。本格的な夏空が広がり、波しぶきを上げる海のダイナミズムを感じる佳き日です。「波」という文字は、左側の「水(さんずい)」に、右側の「皮」が組み合わされています。「皮」は動物の皮膚のように「表面を覆う薄いもの」を表しており、そこから「水面の皮(表面)が風によってめくれ上がり、うねる様子」を意味するようになりました。つまり、波とはどこまでも「表面的な動き」に過ぎないのです。私たちは日々、喜び、怒り、哀しみ、楽しむといった、様々な感情の「波」の中で生きています。 嫌なことがあれば怒りの荒波が立ち、嬉しいことがあれば歓喜のさざ波が広がります。それ自体は、人間としてとても自然で美しい生命のいとなみです。しかし、時に私たちは、その表面の激しい波に翻弄され、「自分自身が壊れてしまうのではないか」と不安に駆られたり、迷い溺れてしまったりします。けれど、思い出してください。 どんなに激しい嵐が吹き荒れ、水面に巨大な大波がうねり狂っていても、その遥か下、海の底深く(深海)に目を向ければ、そこには太陽の光さえ届かないほどの、どこまでも青く、静まり返った「絶対的な静寂」が常に保たれています。表面の嵐など、海の深さから見ればほんの悪戯に過ぎないのです。禅の世界には、外側の現象に一喜一憂せず、自らの本質(仏性)に立ち返る「平常心(びょうじょうしん)」という教えがあります。

心に波が立つことを恐れる必要はありません。ただ、あなたの本質は、その波の下にある「揺るぎない深海」であることを、静かに信じるだけでよいのです。

七月の光が満ちあふれる今日。 もしあなたの心に、喜怒哀楽の激しい波が押し寄せ、心が乱されそうになっているなら、一度目を閉じて、自らの心の深海へと深く、深く潜ってみてください。 どんなに表面が騒がしくとも、あなたの奥底には、決して誰にも侵されない美しい静寂が守られています。その絶対的な平穏に包まれながら、目の前の波を優しく見つめ、しなやかに乗りこなしていきましょう。

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