送-OKURU-

okuru

去りゆくものを、感謝の心で送り出す

Sending off those who are leaving with a grateful heart.

選字の背景:去りゆく縁に感謝を込め、笑顔で明日へ送り出す。

春の陽射しは日に日に強まり、冬を耐え抜いた風も今はもう、去りゆく季節を惜しむかのように優しく吹き抜けています。「送」という文字を紐解くと、道を行くことを示す「しんにょう」に、両手で火や供え物を捧げる姿、あるいは「笑い」を意味する「关」が組み合わさっています。つまり、本来の「送る」とは、ただ見送るだけでなく、相手の旅路が明るく照らされるように「まごころを添えて、笑顔で差し出す」という能動的な行為なのです。私たちは、大切な人や慣れ親しんだ環境が去っていくとき、つい「失う」という痛みに目を向けてしまいがちです。しかし、この世のすべての出会いには、必ず「送」の瞬間が訪れます。禅の教えには、目の前の役割を終えることを「円成(えんじょう)」と呼び、それを静かに受け入れる姿勢があります。執着して引き止めるのではなく、「ここまで共に歩んでくれてありがとう」という感謝を込めて送り出す。その瞬間、別れは単なる「終わり」ではなく、相手にとっても、そしてあなたにとっても、新しい命が吹き込まれる「門出」へと昇華されるのです。人だけでなく、過ぎ去った時間や、かつての自分自身のこだわりに対しても同じです。三月の終わりが近づく今日、あなたの手を離れていくものすべてに、温かな光を添えて送り出してみませんか。その清々しい空気が、また新しい幸いをあなたの元へと呼び込んでくれるはずです。

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