生かされていることへの恩を知り、報いる生き方
A way of life that recognizes the gratitude for being alive and repays it.
選字の背景： 「恩」とは、感謝を胸に、誠実に今日を生きること。
「恩」という文字は、物事の「因（もと）」を「心」で受け止める、と書きます。それは、私たちが今ここに在る「原因」―太陽の光、水、空気、そして何より私たちをこの世に送り出してくれた父母や、社会を築いた先人たちの営み―を、心の深いところで見つめ直すことです。私たちは、つい自分一人の力で生きていると驕りがちです。しかし、この一文字は、無数の見えない縁（えにし）によって「生かされている」のだという真実を、静かに教えてくれます。その計り知れない「恩」を知る時、私たちの心には、理屈を超えた、深い感謝が湧き上がります。そして「報いる」とは、何か特別なことを成すのではなく、その感謝を胸に、今日一日を、頂いた「恩」に恥じぬよう、丁寧に、誠実に生きること。その日々の営みこそが、最も尊い報恩となるのではないでしょうか。