淑-SHUKU-

shuku

しとやかで、奥ゆかしい心の美しさ

The graceful and modest beauty of the heart.

選字の背景:静かに深く、淑やかな美を心に宿して生きる。

今日は古くから「事始め(ことはじめ)」、あるいは「針供養」の日とされ、日々の営みに感謝し、身の回りの道具を労わる、しめやかな節目でもあります。「淑」という文字は、「さんずい(水)」に「叔(ひろう、奥深い)」を合わせたものです。これは、「水が清く澄んでいること」が原義です。そこから転じて、心が清らかで、立ち居振る舞いが上品であること、つまり「淑やか(しとやか)」という意味になりました。現代は、自分をいかに大きく見せるか、いかに目立つかという「外への発信」に力が注がれがちです。しかし、「淑」が教える美しさはその真逆。 それは、主張せずとも滲み出る、「奥ゆかしさ」という名の静かな知性です。奥ゆかしいとは、その先の奥の方へ心を惹きつけられる(行きたくなる)という意味。人もまた、言葉を慎み、所作を整え、内面を清めることで、周囲の人がふと心を寄せたくなるような、深い気品を纏うことができるのです。 春の兆しを静かに待つこの時期こそ、自身の内なる泉を濁らせず、淑やかに整えておきたいものです。

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