静 – SIZUKA –

静

沈黙と静寂がもたらす内なる力

The inner strength brought by silence and stillness.

言葉が尽きた場所に真(まこと)は生まれる森閑と坐す山の揺るぎなき 静けさ

選字の背景: 大安吉日。穏やかで静かな時間にこそ真の吉事があると考えたい。

私たちは、コミュニケーションや情報伝達のために、絶えず言葉を使い、音を発しています。しかし、本当に大切なことは、言葉では伝えきれないことが多いものです。禅語に「不立文字」(ふりゅうもんじ)という言葉がありますが、これは、究極の真理は文字や言葉によっては確立できない、という禅の根本的な立場を示すものです。

詩の前半は、その沈黙の重要性を詠っています。あらゆる言葉が費やされ、静寂が訪れたその場所にこそ、偽りのない真実が姿を現す。それは、後半で描かれる、どっしりと大地に根を下ろし、何事にも動じない山の姿に重なります。「青山元不動」(せいざんもとふどう)という禅語が示すように、山は常に静かにそこにあり、雲が去来しようとも、嵐が吹き荒れようとも、その本質は揺らぐことがありません

今日は大安という吉日です。現代人は、常に何かに追われ、沈黙や静寂を恐れる傾向にあります。しかし、真の力や創造性は、喧騒の中ではなく、穏やかで平和な日常に垣間見る、深い静けさの中から生まれてくるものです。今日は意識して、スマートフォンを置き、テレビを消し、ただ静かに坐る時間を持ってみてはいかがでしょうか。その静寂の内に、私たちは自らの内なる山の、揺るぎない存在を感じることができるはずです。

 

タイトルとURLをコピーしました