
身体は精神の器。身をもって真理を体得する
The body is the vessel of the mind. Experience the truth through your own body.
選字の背景: 「体」とは、身をもって真理を悟る、学びの原点。
私たちは、物事をつい頭だけで理解しようとします。しかし、書物を千回読むことと、自ら一度その道を歩むことでは、得られるものの深さが全く違います。本当の理解は、知識として知ることではなく、身体感覚として我が物とすること、すなわち「体得」によってのみ、もたらされるのです。身体は、精神が宿り、真理を学ぶための、かけがえのない器です。書家として、一本の線を引くとき、その線の命は、頭脳から生まれるのではありません。足の裏で大地を感じ、丹田で呼吸を練り、肩の力を抜き、腕、そして指先へと、全身を通して生まれた気が、墨となって紙に現れるのです。身体のすべてが、筆先となります。身体は、最も正直で、最も身近な師です。その声に耳を澄まし、敬い、その器を健やかに保つこと。それが、真の道に至る第一歩なのでしょう。