民-TAMI-

民草一人ひとりが国の礎である

Each and every citizen is the foundation of the nation.

選字の背景:名もなき民の誠実さが、揺るぎない国を形作る。

「民」という文字の成り立ちには諸説ありますが、一説には多くの人々が寄り集まる姿、あるいは大地に根を張る人々の瞳を表すとされます。 古来、人々を「民草(たみくさ)」と呼んだのは、踏まれてもなお立ち上がり、冬の雪の下でじっと春を待つ、その強靭な生命力を草になぞらえたからでしょう。国という巨大な建物があるとするならば、政治家や指導者はその屋根や飾りかもしれません。しかし、その重みを一点に引き受け、泥にまみれながら支えているのは、今日という日を懸命に生きる「民」の一人ひとり、つまり「あなた」自身です。禅の言葉に「平常心是道(びょうじょうしんこれどう)」とあります。特別な日ではなく、何でもない日常の積み重ねの中にこそ、真理があるという意味です。 狭山茶の一滴が、何千、何万という茶葉の沈黙の努力から生まれるように、あなたが今日、誰にも見られずに行った誠実な仕事や、家族への小さな思いやり。その一つひとつが、揺るぎない国の礎(いしずえ)を今日も一ミリずつ築き上げているのです。祝日の翌日。少し重い足取りで仕事に向かうその一歩にこそ、この国を支える誇り高い響きが宿っています。

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