照 -TERASU-

照 TERASU てらす 家禅 IEZEN.JP

自らが光となり、他者の足元をも照らす、温かな存在であること

To be a warm presence that shines its own light, illuminating the path for others.

選字の背景: 他者を照らす光。まず自らが温かく輝くこと。

11月も半ばとなり、日増しに冷たさを加えています。それゆえに、窓から差し込む一筋の陽光が、いかに温かく、有り難いものであるかを、しみじみと感じます。太陽は、相手を選ばず、見返りを求めず、ただ平等に、その温かな光を万物に降り注ぎます。私たちは、つい「他者から照らされる」ことばかりを求めてしまいがちです。しかし、私たちはまず、自らが、その太陽のような「光の存在」となり、内なる智慧と慈愛の光で輝くこと。そしてその光は、自分だけを誇示するためのものではありません。その温かな光で、迷いや不安という闇の中にいる、他者の「足元をも照らす」ため。それこそが、禅の「利他」の精神であり、この「照」という一文字に込められた、最も尊い使命なのでしょう。私も、一本の線が、誰かの心の隅を、そっと照らす一条の光となることを、ただ祈りながら日々筆を執ります。

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