徹-TETU-

徹 てつ TETU

中途半端でなく、最後まで貫き通す

Don’t do it halfway, see it through to the end.

選字の背景: 「徹」とは、迷いを断ち、最後までやり抜く力

お釈迦様は、菩提樹の下に坐す際、「悟りを開くまでは、決してこの座を立たぬ」という、不退転の決意を固められました。その、中途半端を一切許さぬ「徹底」した姿勢こそが、未明の明星と共に、真理の光をもたらしたのです。「徹」という文字は、行く(彳)に、育てる、あるいは貫く(育・攴)という意が合わさり、端から端まで通り抜けることを意味します。私たちはしばしば、九割がた出来たところで「これくらいで良いだろう」と妥協してしまいます。しかし、お湯は九十九度では沸騰しません。最後の一度まで熱し続け、百度になって初めて、水は蒸気へと質を変えるのです。この「徹する」という最後の一押しがなければ、物事の真価は現れません。年の瀬も迫るこの時期。やりかけたことを、どうぞ最後まで貫いてみてください。その「徹」した先にだけ見える、新しい景色があるはずです。

タイトルとURLをコピーしました