
内面の輝きが外面に現れる真の美しさ
True beauty comes from inner brilliance and is reflected on the outside.
選字の背景: 「麗」とは、磨かれた心が姿となって現れる様。
晩秋の空は高く、庭の楓(かえで)や菊が、晩秋の光を浴びて、まさに「麗(うるわ)しい」姿を見せております。この「麗」という文字は、かつては鹿の角が並んで美しい様子を表したとも言われ、整った美しさや、晴れやかな様を意味します。しかし、私たちが真に心惹かれる美しさとは、単に形が整っていることや、華やかに装うことだけではありません。たとえば、行燈(あんどん)を思い浮かべてみてください。火が灯っていなければ、それはただの紙と木の箱です。中にろうそくの火(魂や心)が灯って初めて、その柔らかな光が紙(身体や表情)を通して外に溢れ出し、周囲を温かく照らす「麗しさ」が生まれるのです。禅の言葉に「相(そう)は心(こころ)に随(したが)って転(てん)ず」とあります。顔つきや姿は、その人の心の在り方によって変化するという意味です。日々の暮らしの中で培われた優しさ、知性、そして誠実さは、隠そうとしても隠しきれず、その人の表情や立ち居振る舞いに、静かな光となって滲み出ます。美の本質はそのものの「内側」にあります。外見を繕うよりも、内なる火を絶やさぬよう心を磨くこと。それこそが、時を経ても色褪せぬ、真の「麗しさ」への道なのでしょう。