慶-YOROKOBI-

yorokobi

他者の幸をわが事のように喜び、共に寿ぐ心。それが真の慶びである。

To rejoice in the happiness of others as if it were your own, and to celebrate together – that is true joy.

選字の背景: 慶びとは共鳴なり。あなたの幸が、私の幸となる。

松の内が明け、街の空気は「ハレ(非日常)」から「ケ(日常)」へと戻りましたが、そんな平日の中にこそ、見つけるべき「慶び」があります。「慶」という文字は、「鹿」の省略形に、「心」と、足を運ぶ意味の「夊(すいにょう)」を合わせたものです。古代、鹿の皮は大変貴重な贈り物でした。つまり、相手のもとへ心を込めて祝いの品(鹿皮)を持って駆けつける姿が「慶」なのです。単に思うだけでなく、行動を伴う祝福を表しています。私たちは、自分に良いことがあれば喜びます。しかし、他人の幸福となると、どうでしょうか。時に羨(うらや)み、時に嫉妬(しっと)という冷たい風が心に吹くことはないでしょうか。 仏教には「随喜(ずいき)」という言葉があります。他人の善行や幸福を、まるで自分のことのように喜び、称えること。これこそが、嫉妬の炎を消し、自らの心をも豊かにする最高の功徳であるとされています。幸せは、奪い合うパイではありません。ロウソクの火のように、隣の人に火を移しても、元の火が小さくなることはなく、むしろあたりは一層明るくなります。 「よかったね」「おめでとう」。その一言を心から言えた時、あなたの心にも同じだけの幸福が灯るのです。どうぞ今日は、周囲の誰かの小さな幸せを見つけ、自分のことのように喜んでみてください。その瞬間に生まれる温かな共鳴こそが、最高の「慶び」なのですから。

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