砂-SUNA-

砂suna

長い年月をかけて岩が砕かれた砂。自我を細かく砕く修行

Sand formed from rocks that have been broken down over many years. A spiritual practice of shattering the ego into tiny pieces.

選字の背景:歳月をかけて我を削る、砂の如き修行を。

厳しい暑さの中で、風に舞う一粒の砂にさえも、大いなる時の流れを感じる一日です。「砂」という文字を紐解くと、左側には「石」、右側には「少」が組み合わされています。かつては大きく、誰をも寄せ付けないほど頑丈だった「岩石」が、激しい風雨にさらされ、川の流れに何度も揉まれ、削られながら、気の遠くなるような歳月をかけて「少しずつ」小さくなった姿。それこそが「砂」の本質です。私たちは生きる中で、他者から自分を守るため、あるいは自分を大きく見せるために、「私はこうあるべきだ」「自分の意見こそが正しい」という、強固なエゴ(自我)という名の「岩」を心の中に築いてしまいがちです。しかし、岩のように硬く頑なな心は、他者と衝突したときに激しく火花を散らし、お互いを深く傷つけ、最後にはぽきりと折れてしまいます。禅の修行とは、この心の中の大きな「岩」を、内省や日々のいとなみを通じて、サラサラとした「砂」のようになるまで細かく、根気強く砕いていくプロセスに他なりません。

頑固な岩のままでは、他者を受け入れることはできません。無数の荒波に揉まれて細かな砂となったとき、私たちは初めて、どんな器の形にも寄り添える、無限の優しさを手にするのです。

七月の陽射しが万物をあぶり出す今日。 もしあなたが、自分のこだわりやプライド、あるいは「こうでなければならない」という思い込みに縛られて息苦しさを感じているなら、その心の岩をほんの少しずつ、削ってみませんか。 長い時間をかけて自らの角を丸くし、サラサラとした砂にしていくこと。それは自分を失うことではなく、何ものにも傷つけられない、究極の自由と平穏をその手に抱くための、最も尊い修行なのです。

タイトルとURLをコピーしました