吊-TSURUSU-

tsurusu吊

短冊に想いを託す。目に見えない想いを形にして宙に放つ

Entrusting your thoughts to a strip of paper. Giving form to invisible feelings and releasing them into the air.

選字の背景:内なる願いを言葉に変え、高く吊るそう。

明日は待ちに待った七夕の節句、星祭りです。心の中にある目に見えない願いや祈りを、文字という形あるものに写し取り、天に近い宙へと吊るす。この一文字は、内に秘めた想いを外へと表現し、大いなる流れに委ねることの大切さを教えてくれます。本日、七月六日。七夕の前夜、夜空の星々を迎え入れるための静かな準備が進む一日です。「吊」という文字は、紐や布を垂れ下げて、物を高い場所からぶら下げる様子を表しています。一年の中でも、とりわけ人々の「想い」が物質化され、宙に掲げられるのがこの七夕の季節です。私たちは日々の生活の中で、心の中にたくさんの願いや不安、決意を抱えています。しかし、それらを頭の中だけでぐるぐると考えているうちは、時に重い執着となって自分自身を縛る檻になってしまいがちです。私が日々、静かに墨をすり、真っ白な紙の前に座って筆を運んでいるときも、まさにこの「目に見えない想いを形にする」営みを行っています。心の中にある言葉にならない祈りや平穏を、墨の線という確かな形にして世界に引き出す。そうして書き終えた文字を眺めるとき、私たちは初めて、自分の心を客観的に見つめ、愛おしむことができるのです。禅の教えでは、心に過度にとどめる(執着する)のをやめ、すべてを放ち、大自然の摂理に委ねる在り方を尊びます。短冊を笹の枝に吊るすという行為は、単なるお祭りではなく、「私はこの想いを胸に生きていきます」と自らに誓いを立てた上で、あとは天の流れにお任せするという、清々しい手放しの儀式でもあるのです。

想いを内に閉じ込めておいては、心の重荷になります。言葉という形を与えて宙に吊るしたとき、その願いは自由な風に乗り、進むべき未来へと動き出すのです。

七夕を翌日に控えた今日。 あなたの中に眠っている、まだ誰にも伝えていない熱い想いや、密かな祈りはありますか。 それを心の中に隠したままにせず、ぜひ言葉にしてみてください。短冊に書き記すように、あるいは心の中でそっと宙に吊るすように、世界に向けて放ってみるのです。自分の外へと解き放たれた想いは、あなた自身を軽やかにし、明日からの人生を優しく照らす星の光へと変わっていくはずです。

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